先輩からのメッセージ

志望した理由は３つあります。１つ目は、川崎という複雑な社会背景のある土地で研修することで、医学的なことだけではなく患者さんが抱える社会的な問題についても学習したかったからです。２つ目は、研修医の数が少なく手技や症例の取り合いが起こりにくいことや、主体的に診断計画や治療計画を練ることができる環境に魅力を感じたからです。３つ目は、病院見学の際にスタッフの皆さんがあたたかく迎えてくれたからです。

病院自体は建物が古く少し殺風景な印象ですが、先生も他職種もにぎやかな方が多く、医局や病棟はいつも和気あいあいとしています。また、職種や診療科の垣根が低く、自分が困っている時にも、現在ローテートしていない科の先生が「困ってない？」と声をかけてくださったり、他職種の方が助けてくださったりと面倒見の良い人達が多く安心して働くことができています。

救急車の中で心肺停止となった患者さんが搬送され、救急隊からそのまま心臓マッサージを引き継いだことがありました。患者さんは助からず、新型コロナウイルス感染症が流行っていたため隔離対応となり、全員フルプリコーションでお看取りをしました。感染予防のためとはいえコロナだと確定していない患者さんをフルプリコーションで看取るのはご本人・ご家族にとって本当に適切だったのか、考えさせられた一例でした。

なんといっても働いているスタッフ一人一人の人柄だと思います。実際に研修医として働き出してから、医師としても社会人としても自分がいかに未熟であるかを痛感し出勤するのが辛い時もありました。ですが、いろんな人に励ましてもらったおかげで、自分でも成長したと感じながら日々働くことができています。また、患者さんの自宅を訪問し片付けをする等、社会的なプロブレムにも医師が直接介入できるところも魅力だと考えています。